- 「遺産には預貯金の他に土地や建物、アパートだけでなく、株式や投資信託などがあり、それらの相続手続(不動産登記、解約や売却、現金化)を行う必要があるが、自分たちではできないので代わりにやって欲しい。」
- 「相続人の中に、あまり接触を持ちたくない人がいるので、その人との連絡窓口となって相続財産を渡して欲しい。」
- 「相続人も複数いるが、どれをどのようにして分けたらいいのかわからない(遺産分割)ので、助けて欲しい。」
- 「夫が死んだが、預金や不動産、相続税のことなど、何をどうすれば良いのかわからない。」
相続は色々やるべきことがありますが、手続きの複雑さや法律上の問題など、何から手を付け、何をどうしたらよいのかわからないといったことが多々あると思います。
そのような相続問題(手続き)を円滑に行うために、遺産整理(遺産承継)という業務があります。
遺産整理(遺産承継)業務は、
司法書士が相続人様全員の代理人となって、遺産の名義変更、売却、解約など必要な手続きの全てを行う業務を言います(相続税の申告が必要な場合は税理士さんへの依頼が必要となります)。
不動産の名義変更をするには、
故人の出生時からの全ての戸籍や住民票の除票、遺産分割協議書など様々な書類が必要で、それら資料を収集して登記申請を行うには専門的な知識が必要になります。
また、
預貯金を解約したり株式や投資信託を売却するには、
「銀行や証券会社によって方法や必要書類がマチマチで統一されていない。」
「手続き開始から終了までに相当の時間がかかる。」
「何回も足を運ばなくてはならない場合がある。」
「窓口で要する時間が長い。」
といったことがあり、そう簡単ではありません。
司法書士法第29条及び司法書士法規則第31条において、
司法書士には、高い倫理観のもと、財産管理業務や成年後見業務を、附帯業務として、反復継続して行うことができる旨、規定されています。
遺産整理という包括的な相続手続きを「業」としてすることが法律上で認められているのは、司法書士と弁護士、そして信託銀行だけです。
特定の相続人が主導して遺産整理などの処理にあたることは、しばしば他の相続人の利益を害したり、また、必要な情報を他の相続人に伝えないといった可能性もあるため、相続人全員に対して公正な立場で分配を行う法律専門職が求められているのです。
不動産を買ったり、もらったりして(贈与)不動産の所有権を取得する登記を行うと、法務局から「権利証」が交付されます。
実際のところ「権利証(権利書)」という言葉は俗称で正式な用語ではありません。
法律上は、以前(不動産登記法改正前)ですと「登記済証」と言い、現在(改正後)は「登記識別情報」と言います。
この権利証は、売買や贈与などで所有権移転登記を行う場合に必要な書類となり、これを法務局に提出することによって、「不動産を売却する(贈与する)意思」が証明されます。
しかし、相続の場合は、亡くなった方(被相続人)の意思をもとに所有権移転が行われるわけではないので、不動産の贈与の意思を証明する必要はありません。
よって、原則として、相続登記においては、権利証は必要ではありません。
遺産分割(相続人が相続財産を分ける方法)には、次の3つの方法があります。
- 現物分割 :現物の状態で取得者を決める方法
- 換価分割 :遺産を売却し、売却代金を分割する方法
- 代償分割 :共同相続人のうち一人または数人が遺産を取得し、他の共同相続人に代償金を与える方法
上記方法のうち代償分割が行なわれるのは、相続人全員が納得するような遺産分割が難しい場合や、遺産が分けにくい性質のものであるケースが多いです。
代償分割は、遺産分割協議書の中で「代償分割である旨」を記載しておかないと、当該代償金の支払いが「贈与」であるとされ、贈与税を課税されることがあります。
従い、代償金の支払いに対して贈与税が課税されるのを避けるために、遺産分割協議書に「代償として」支払うということを明確にしておく必要があります。
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記の義務化が実施されました。
「今のままだと過料(罰金)が科せられてしまうのか?」
「相続しているのかどうかわからず心配」
「まだ相続登記を終えていない」
といったご相談が多く寄せられております。
この度、東京司法書士会 田無支部においては、下記のとおり、登記相続無料法律相談会を開催しますので、ご自身の不動産(相続)についてご心配の方は、是非、お越しください。
記
【開催日時】
令和7年2月15日(土) 午前10時~16時 予約不要
・
【相談会場】
田無アスタ 2F アスタ専門外入り口
※田無駅から空中通路を渡ってアスタに入ったところです。
・
主催:東京司法書士会 田無支部
後援:西東京市
法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる制度が2020年7月より開始しています。
この制度を利用すると、遺言書の原本を預かってもらえるだけでなく、様々なメリット(長所)があるのでいくつかご紹介します。
◎紛失や盗難、偽造、改ざんを防げる
自筆証書遺言は紙と筆記用具、印鑑があれば作成できますが、作成した遺言を自宅に保管していると、紛失や盗難の危険性があり、また、偽造や改ざんの危険性もあります。
そこで、この自筆証書遺言の保管制度を利用すれば、法務局で遺言書の原本と画像データが適切に保管されるため、紛失や盗難の心配がなく、偽造や改ざんを防止できます。
◎無効な遺言書になる可能性が低い
法務局で民法に定める自筆証書遺言の形式に適合するかを確認してくれるため、無効な遺言書になりにくいです。但し、遺言書の有効性を保証するものではないことにご注意下さい。
◎相続人に発見してもらい易い
自宅に遺言書を保管すると相続人が遺言書を見つけられず、その結果、遺言者の意思に沿った遺産相続が行われない恐れがあります。自筆証書遺言書保管制度を利用することによって、遺言者死亡後、法務局より、予め指定しておいた相続人に対して遺言書が保管されていることを通知してもらえます。
◎検認手続が不要になる
自筆証書遺言の場合、遺言者死亡後に当該遺言書を(偽造や改ざんを防止のため)、開封する前に家庭裁判所に提出して、検認を受けなければなりませんが、自筆証書遺言書保管制度を利用することで、検認手続が不要になり、速やかに遺言の内容を実現することができます。