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任意後見人は、
任意後見契約で定められた代理権の範囲内にて業務を行い得るので、代理権目録に記載されていない事務については権限が無く、事務を行うことができません。
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任意後見人の業務は、本人の「財産管理」と「身上看護」に関することが基本です。
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そして、任意後見人に委任できることは、「契約の締結」といった法律行為に限られますので、例えば、「介護サービス」や「家事援助サービス」の手配をするために契約する・・・といったことは、任意後見人の仕事となるものの、任意後見人が直接介護したり掃除したりするといった「事実行為」は任意後見人の仕事ではありません。
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代理権目録に記載する内容は基本的に自由ですが、後見制度の趣旨から言うと、財産管理では、「預貯金の管理」、「収入・支出の管理」、「税務処理」といった後見事務を行い、
身上監護では、「医療に関する契約」、「介護等に関する契約」、「住まいに関する契約」、「施設に関する契約とその履行」、「教育・リハビリに関する契約」といった後見事務を行います。
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具体的に列挙すると次のような事項が任意後見人の主な代理行為となります。
- 預貯金の管理(払戻しや預け入れ、振込み、入金確認、定期の解約、金融機関との取引)
- 年金(恩給)や手当の受領
- 日常生活に必要なサービスや商品の購入や契約(新聞、牛乳、宅配弁当、水道光熱費など)
- 不動産その他の重要な財産の処分(自宅や別荘の売却、アパートの賃貸借契約の締結等)
- 遺産分割協議(相続放棄や承認)
- 要介護認定の申請や異議申立て
- 福祉関係施設の入所契約(有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム)や施設利用料の支払い
- 介護サービスの提供を受けるための契約(デイサービス、訪問介護、ヘルパー、家事援助、ショートステイ)及び介護サービス利用料の支払い、介護サービスの履行請求
- 医療契約の締結(入院、退院の手続き、リネンリース契約)や入院医療費の支払い
なお、 法定後見における後見人(保佐人・補助人)と同様に、本人しかできないと考えられている次の行為は、任意後見人の事務に含まれず代理ることはできません。
- 婚姻、離婚
- 養子縁組、離縁
- 臓器提供の意思表示
- 遺言書の作成
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売買を原因とする所有憲移転登記の申請書の見本をご紹介しますので、参考にして下さい。
「売買による所有権移転登記の申請書」
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登記の目的 所有権移転
登記原因 平成30年3月1日売買
権利者 西東京市田無町○丁目○番地○ ○山○夫
義務者 小平市鈴木町○丁目○番地○ 甲○乙○
添付情報 登記識別情報 登記原因証明情報
・・・・・ ・ 印鑑証明書 住所証明情報 代理権限証明情報
平成30年3月1日申請 東京法務局 田無出張所
課税価格 金○○○○万円
登録免許税 金○○○○○円
不動産の表示
土地
所在 西東京市○町○丁目
地番 ○○番○
地目 宅地
地籍 123.45平方メートル
建物
所在地 西東京市○町○丁目 ○○番地○
家屋番号 ○○番○
種類 居宅
構造 木造スレート葺2階建て
床面積 1階 59.88平方メートル 2階 48.67平方メートル
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★相続を「争族」にしないために
昔から、「相続争い」を題材にしたドラマや映画はよくありますが、これは決して架空のことではなく、日常頻繁に起こり得る問題です。
テレビを見ている分にはいいのですが、実際、自分の身に降りかかってくると決して楽しんではいられません。
「うちには争うような財産はないから安心」
「うちは昔から兄弟仲が良いから大丈夫」
といった話をよく耳にするのですが、実際はそうもいきません。
相続人間には、第三者には知る由もない、長年の同居生活や親族関係の中におけるさまざまな感情の蓄積というものがあり、相続の開始というきっかけで、それまで仲の良かった兄弟が一転して犬猿状態になったりすることが多いものです。
従い、資産家やお金持ちの家でなくても、相続争いは起こりうるもので、相続財産の額の問題ではありません。
いつかは必ず訪れる「相続」を”争族”としないためには、被相続人の意思を伝える「遺言」がとても重要なものとなります。
遺言をするには遺言書を作成しなければならず、遺言書には主に公正証書によるものと自筆証書によるものがあります。
★相続人間での争いを回避するために
相続を争族としないためには、被相続人の意思を明確にしておくことがとても大事です。
何故ならば、被相続人の意思を明確にしておくことより、相続人がその内容に少々不満であっても、
「親父の意向だから まぁ、しょうがない。」
というように、納得することが考えられるからです。
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★残された家族への思いやり
遺言は、遺言者の意思を(遺言者の)死後においても明確に伝えることができます。
相続開始後、家族間の無用な紛争を未然に防止しておくことも、残された家族に対する思いやりではないでしょうか。
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夫婦は離婚の際、婚姻生活中に共同で築いた財産を精算することになりますが、これを「財産分与」と言います。
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そして、財産分与の対象財産が自宅不動産の場合は、財産分与を原因とする不動産の名義変更(所有権移転登記)が必要になります。
※夫婦共有名義の不動産を財産分与により妻(夫)一人の名義にする場合は、夫(妻)の持分を妻に移転する持分移転登記をすることになります。
その際に注意すべきことは、マイホームに「住宅ローン」が残っているケースです。
財産分与によって、住宅ローン等の債務が残っている不動産の名義を変更される場合、財産分与によって所有者が変更しても、住宅ローンの債務者は当然には変更されません。
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例えば、不動産の所有者である夫が住宅ローンの債務者である場合において、不動産を妻に財産分与によって譲った場合、不動産の所有者は妻となりますが、住宅ローンの債務者は夫のままです。
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多くの金融機関は、「所有者の名義を変更する場合は抵当権者(金融機関)の承諾を得なくてはならない」という契約条項を定めています。
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債権者たる金融機関の承諾を得なくても、財産分与による不動産名義変更の手続は可能ですが、ローン完済までは、不動産の名義を変更しない旨の契約を金融機関と結んでいるケースが多く、借入先金融機関に無断で名義を変更することは、住宅ローン契約に違反する可能性がありますので注意が必要です。
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従って、事前に金融機関に対し、不動産の名義を変更することの了解を得ること、および今後のローン支払い方法について相談されることをお勧めいたします。
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遺言は、財産の状況や相続人該当者、家族関係、遺言者の心情を聞取った上で、遺言者ご本人の意思をそのまま書面に書き写します。
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しかし、遺言者ご本人の意向だけを盛り込んだのでは、様々な問題(法的な問題・税務上の問題・相続人間の争い・執行の問題etc)が発生する恐れがあります。
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従い、当事務所では遺言者ご本人の意向を大前提として、総合的なアドバイスや助言をさせて頂き、最終的な判断を遺言者ご本人にして頂く方針を採っております。
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~公正証書遺言作成の流れ(ご依頼頂いた場合)~
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面談にて遺産の内容・ご希望等をお伺いします。
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原稿(文案)を作成致します。
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原稿を確認頂き、必要に応じ修正致します。
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公証人(公証役場)を予約します。
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公証人と文案に問題ないか検討致します。
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証人を依頼します。
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公証役場へ出向き(または公証人に出張してもらい)所定の手続を経て完成です。
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謄本を保管して頂きます。
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遺言に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽にご連絡下さい。