西東京市田無のさくら司法書士事務所 所長のブログ

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「配偶者居住権」その1 配偶者居住権とは?

2021年06月08日相続、遺産分割

 

昨年「相続法」が約40年ぶりに改正され、2020年4月1日から「配偶者居住権」という新しい権利がスタートしました。

今回の(相続法の)改正は、相続人など残された人の生活を守るための内容となっている傾向が強く、この配偶者居住権もまさに残された妻(夫)の将来の暮らしを守る内容になっております。

今後、何回かに分けてこの配偶者居住権についてご紹介したいと思います。

 

「配偶者居住権」とは?

配偶者居住権とはその言葉通り、「亡くなった夫(妻)と一緒に暮らしていた妻(夫)に、引き続きその家に住む権利が与えられる。」というものです。

この居住権には、「配偶者短期居住権」と「配偶者長期居住権」の2種類の権利があります。

前者の「配偶者短期居住権」は、相続人間における遺産分割協議が終わるまで、妻(夫)は、亡くなった夫(妻)の家に住む権利が与えられるというものです。

この短期居住権が認められることにより、今までそこに住んでいた妻(夫)は、当面の間は引き続きその家に住むことができることになります。

しかし、例えば、『遺言で長男が家の所有権を相続した場合』、長男はいつでも「配偶者短期居住権」を消滅させるよう申し入れすることができます。

ただ、そのような場合でも、6ヵ月の猶予期間を得られますので、その間に新しい居住先の準備が可能となります。

 

後者の「配偶者長期居住権」は、配偶者が家の「居住権」を取得し、長男が家の「所有権」を持つといった、居住権と所有権を分けて持つことが可能になるというものです。

これにより、妻(夫)は、家の所有権を持っていなくても、居住権があれば、その家に住み続けられるということになります。

ただし、(上記例の場合)あくまで所有権は長男にあるので、妻(夫)は家を売却することはできませんし、また、居住権は残された妻(夫)だけに認められた権利なので、これを第三者に譲渡することはできず、妻(夫)が亡くなった場合には、この居住権は消滅します。

 

 

遺言の撤回・取消し・修正・変更

2021年05月08日遺言(遺言書)

 

一度作成した遺言書を撤回したり、内容を一部修正したりすることはできるのでしょうか?
また、それらはどのような方法によって行うのでしょうか?

民法1022条で、
「遺言者はいつでも遺言の方式にしたがって、その遺言の全部又は一部を取り消すことができる」と規定されています。

よって、遺言者は遺言の取り消し等を行うことが認められています。理由は、遺言は遺言者の最終意思を尊重することにあるからです。

 

民法上で定められてる撤回方法をご紹介しますと、

1、前の遺言を撤回する遺言を新たに作成することによって、前の遺言を撤回することができます。

例えば、このように記載します
「平成29年5月9日作成の遺言は全部取消す」
「令和2年3月18日付遺言における●●●の部分の遺言は取消す」

 

2、新たに作成した遺言が、前の遺言の内容と抵触する部分があると、その抵触する部分については(前の遺言が)撤回されたものとみなされます。

 

3、遺言書作成後、遺言の目的物を他人に売却したり贈与した場合には、その目的物については撤回したものとみなされます。

 

4、遺言者が故意に遺言書を破棄した場合には、破棄された部分については撤回されたものとみなされます。

 

5、遺言者が遺贈の目的物を故意に破棄した場合には、その目的物については遺言は撤回されたものとみなされます。

 

 

不動産の住所変更登記(引っ越し・住所移転)、氏名変更登記(婚姻・離婚)

2021年04月09日不動産登記

 

不動産所有者が、引っ越しにより住所を移転しても(住民票を移しても)、不動産登記上の住所が自動的に変更されることはなく、昔の住所のままです。

また、不動産所有者が結婚や離婚などにより氏名が変わったとしても(戸籍の記載が変わっても)、不動産登記上の氏名が自動的に変更されることはなく、従前の氏名のままです。

このように、引っ越しにより住所を移転した場合や、住居表示が実施されて町名地番が変更した場合、結婚や離婚等により氏名が変わった場合に行う登記を「登記名義人表示変更登記」と言います。

住所変更をした際、現在の正しい住所に変更登記を行うことは義務ではないため、これを怠ったとしても特に罰則等はありませんが、(例えば)自宅を売却することになり、買主に所有権移転登記を行う際には、事前に登記名義人住所変更登記をしなければなりません。

何故ならば、不動産(土地、家屋)を売却し、所有権移転登記を申請する際には、売主の住所が印鑑証明書記載の住所と一致していなければならないからです。これは、不動産を担保に融資を受け、抵当権設定登記を行う際も同様です。

尚、「相続」による所有権移転登記においては、被相続人の最後の住所と登記上の住所が相違する場合であっても、最後の住所と登記上の住所の繋がりが証明できる住民票の除票や戸籍の附票などを提出することにより、事前に住所変更登記をすることなく相続登記をすることができます。

 

セミナー・講演のお知らせ(2021.3.16)『自分で決める未来の備え ~任意後見~』 小平市社会福祉協議会 成年後見基礎講座

2021年03月09日info,成年後見

 

今月(3月)は、小平市社会福祉協議会主催の「成年後見基礎講座」で次のとおり、講師をつとめさせていただきます。

コロナ渦により、当然ながらこの1年、このような催しはほとんど中止だったので、ホント久しぶりです。

今回は、成年後見制度の中でも「任意後見」を中心に、関連する「見守り契約」や「任意代理契約(財産管理等委任契約)」・「死後事務委任契約」・「遺言」についてお話しし、その他、今話題の「家族信託」にも触れたいと思っています。

とき:令和3年3月16日(火)

時間:14時~16時

場所:小平市福祉会館  4階 小ホール

問い合わせ等:小平市社会福祉協議会 権利擁護センターこだいら
042-342-8780

以上です。

 

できればたくさんの方に来て頂きたいのですが、このような状況ですので、人数制限や感染防止対策、質疑は口頭ではなくメモ書きで等、多くの制約があろうかと思います。

詳しくは小平市社会福祉協議会(上記)にお問い合わせください。

 

相続登記の義務化(過料の罰則)

 

相続において、遺産の中に土地や建物、マンション等の不動産が含まれている場合には、相続登記(所有権移転登記)を行う必要があるのですが、現在の法律では、相続登記を行わなかったとしても、罰則や制裁は課されませんので、相続登記を行わないケース・・・、つまり、登記名義人は亡くなった所有者(被相続人)のままであることが少なくありません。

実際のところ、相続登記がなされないまま放置された結果、所有者がわからなくなってしまっている土地が増え続けており、2016年の国土交通省の地籍調査によれば、所有者不明の土地は約410万ヘクタールもの面積におよび、九州よりも大きな規模の土地が所有者不明となっております。

今月(2021年2月)10日の法制審議会において、所有者が不明となっている土地問題の対策を盛り込んだ民法と不動産登記法の改正に向けた要綱を決定し、法相に答申しております。

改正要綱では、

  • 土地の所有者の死亡後(相続人が土地の取得を知った日から)、3年以内に相続登記を申請することを義務付ける。正当な理由なく申請しない場合には、10万円以下の過料を科す。
  • 登記名義人が転居した場合にも届け出を義務付ける。怠れば5万円以下の過料を科す。
  • 土地を国有地化する制度を創設し、権利関係に争いがないことや土壌汚染がないことなどを条件に、法務局が認めれば、10年分の土地管理費に相当する金額を納付することで、所有権の放棄を認める。
  • 手続きの負担を軽減するため、相続人の申し出だけで登記できるようにする。
  • 相続の際に不動産一覧を法務省が発行することにより、相続忘れを防ぐ。
  • 裁判所が所有者不明の土地の管理人を選び、所有者に代わって管理や売却を行うことも可能にする。

といったことなどが盛り込まれています。

 

政府は今国会に関連法案を提出する予定なので、相続登記の義務化もそう遠くありません。

 

 

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