祭祀承継とは、祭祀財産や遺骨を管理して祖先の祭祀を主宰すること(お墓等を引き継いで管理すること)を言い、これを行う者を祭祀承継者と言います。
祭祀財産には、系譜(けいふ)・祭具(さいぐ)・墳墓(ふんぼ)といったものがあり、
「系譜」は先祖から子孫に至る一族代々のつながりが記されている家系図を意味し、「祭具」は仏壇・神棚・位牌・霊位・十字架のこと、「墳墓」は墓石や墓碑などの墓標(土葬の場合の埋棺など)のことを言います。
祭祀承継者には相続人がなることがほとんどですが、必ずしも相続人がならなければならないわけではなく、次の順位で決めることになります。
なお、祭祀承継者に指定されれた者はこれを拒否することはできません。
また、祭祀財産は相続財産に含まれないため、相続放棄をしても祭祀承継者にはなれますし、相続分から強制的に祭祀財産の価額相当分が差し引かれ、相続分が減るといったこともありません。