個人民事再生における住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用するための「住宅資金貸付債権」とは、
住宅の建設もしくは購入に必要な資金(住宅の敷地または敷地の借地権の取得に必要な資金を含む)、
または、
住宅の改良に必要な資金にかかる分割払いの定めのある再生債権であって、
その債権、
または、
その債権のための保証会社の主債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものを指しますので(民事再生法196条3号)、
住宅ローン関係以外の担保権が設定されている場合には、
住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用することはできません(民事再生法198条1項但書)・・・。
それでは、
住宅を夫婦共有にて所有し、
かつ、
夫婦が別々に住宅ローンを組み(金銭消費貸借契約を締結し)、
抵当権もそれぞれ債務者として設定している場合はどうなるのでしょうか?・・・・・。
この場合、
夫と妻それぞれの抵当権が、
上記で述べた(住宅ローン以外の)他の抵当権と考えられるところでありますが、
民事再生法198条1項但書の趣旨は、
当該抵当権が実行されることにより、
住宅ローン特則が無意味になってしまうことを回避することにあるので、
当該抵当権の実行の恐れがない場合には、
住宅ローン特則の利用を認めてしまっても差し支えないと考えられ、
実務上では、
同一家計を営んでいる夫婦(親子)の場合には、
夫婦双方とも個人民事再生の申し立てをし、
双方とも住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を定める申述をすることの要件を満たすことを前提に、
双方とも住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の利用を認めても良いとされています・・・。
個人民事再生のご相談ご依頼は西東京市(田無)「さくら司法書士事務所」認定司法書士志村理