ご相談電話番号 042-469-3092サイトマップ ご相談・お問い合わせ
個人情報保護方針

清瀬市で司法書士をお探しなら、さくら司法書士事務所

≪相続法改正≫ ②遺産分割等に関する見直し(特別受益による配偶者保護・預貯金の仮払い制度等) ≪2019年7月1日施行≫

カテゴリ:相続、遺産分割 2019年04月01日

昨年(2018年)の7月6日、約40年ぶりに相続法(相続に関する民法等の規定)を改正する法律が成立しました。

改正相続法の多くは今年(2019年)の7月1日から施行されることが決まっています。

具体的には、次の分野に関する見直し(改正)がなされました。
①「配偶者の居住権を保護」
②「遺産分割等に関する見直し」
③「遺言に関する見直し」
④「遺留分制度の見直し」
⑤「相続の効力等に関する見直し」
⑥「相続人以外の者の寄与度を考慮する方策」

今日は、前回お話しした「配偶者の居住権の保護」の続きとして「遺産分割等に関する見直し」についてお話ししたいと思います。

 

★特別受益における配偶者保護のための方策★

現行法では、被相続人から生前贈与や遺贈により特別に受益を得た相続人がいる場合、遺産分割において、まずその特別受益分を持戻して(加算して)、それぞれの相続分を算定します。

ただし、被相続人が遺言により「当該特別受益の持戻しを免除する」との意思表示をした場合は、特別受益分の持戻しはせずに、それぞれの相続分を算定することになります。

改正法では、以下の要件を満たす場合には、特別受益の持戻し免除の意思表示があったものと推定するとされました。

  1. 婚姻期間が20年以上の夫婦である
  2. 対象財産が、居住用の建物または敷地
  3. 遺贈または贈与された

 

★預貯金の仮払い制度の創設★

預貯金は、最高裁判決により「遺産分割の対象」とされ、相続人全員の同意がない限り、原則として遺産分割前の払戻しは認められません。

しかし、被相続人の残した借金や入院医療といった相続債務の支払いに迫られていたり、残された妻(配偶者)の生活費が必要な場合など、相続人間での遺産分割協議を待っている余裕が無い場合が少なくありません。

そこで、改正法では、遺産分割前に相続人に払戻すことを認める制度が二つ創設されました。

1、家庭裁判所の保全処分を利用する方法

  • 遺産分割の審判または調停の申立て、及び仮払いの申立てをする
  • 仮払いの必要性を疎明する
  • 申立てに基づき裁判所が、仮払いの金額を判断する

2、裁判所の判断を経ないで、相続人単独で預貯金の払戻しを認める方法

「相続開始時の預貯金額(口座ごと)×1/3×法定相続分」かつ、
「金融機関ごと(複数口座ある場合は合算)に法務省令で定める額」を上限として、払い戻された預貯金は、その相続人が遺産分割により取得したものとみなされます。

★遺産分割前に処分された財産の扱い★

遺産分割の前に遺産の全部または一部が処分された場合、実務上では、処分された遺産は遺産分割の対象とならず、残っている遺産のみを分割します。
これは、遺産を処分した相続人は、遺産分割において相続分から処分した利益分を引かれることもないため、不公平と考えられます。

そこで、改正法では、処分した相続人を除く共同相続人全員の同意があれば、処分された遺産が遺産分割時に遺産として存在するものとみなすことができるとされました。

 

他の改正内容については順次ご紹介してまいります。