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個人民事再生利用した場合の減額効果は、
「借金80%カット(つまり返済は20%)、但し最低100万円は返済する必要がある」といった趣旨を、面談相談などの際によくご説明申し上げるのですが、
実際には(厳密に言うと)もっと細分化されており、必ず上記のような効果になると言う訳ではありません。
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借金の総額(基準債権総額)が、
以上の5パターン(個人民事再生による減額効果)が実際にはあるのですが、
私が受けるご相談の場合、上記2若しくは3(借金100万~1500万未満)に該当するケースの方が圧倒的に多いため、日頃、「借金80%カット(つまり返済は20%)、但し最低100万円は返済する必要がある」といった説明をさせて頂いている次第です・・・。
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借金が100万円の人も200万円の人も300万円の人も400万円の人も500万円の人も、
弁済額は原則として皆100万円となり、
結果は同じでも、減額の割合は債務の総額によって大きく異なります。
また、個人民事再生は裁判手続きですので、裁判費用として約2万円、その他個人再生委員費用として、20万円~30万円程の費用が必要になります。
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従い、個人民事再生利用の際は、任意整理など他の債務整理を利用した場合の費用対効果についても、十分検討する必要があると言えます。
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尚(上記にて)、借金総額が100万円~500万円の人は債務が100万円になると申し上げましたが、これはあくまで「原則」でして、実際に個人再生利用により借金を100万円にするためには、「清算価値」についても検討しなければなりません。
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清算価値(保証の原則)とは、
「債務者が現在保有している財産価値同等の金額分は、最低でも返済しなければならないというルール」を意味し、
個人民事再生においてもこのルールが適用されます。
つまり(例えば)、
『基準債権総額(借金総額)が500万円の場合、
弁済額はその5分の1(2割)なので100万円になる訳ですが、もしもその債務者が、180万円の資産を保有していた場合は、最低弁済額は100万円ではなく180万円となる。』
ということです。
現金や預貯金、不動産、自動車、株式や投資信託はもちろん、
生命保険の解約返戻金(死亡保険金ではありません)や、退職金(自己都合により辞めた場合に支給される額)、
そして、債務整理による過払い金なども資産ですので、これら全て清算価値の対象となります。
尚、全国共通という訳ではありませんが、
東京地方裁判所やさいたま地方裁判所などは、退職金は支給予定額全額を清算価値として計上するのではなく、支給予定額の「8分の1」を計上する扱い(運用)となっております。
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