西東京市田無のさくら司法書士事務所 所長のブログ

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【令和6年4月1日より】相続登記の義務化と罰則(10万円のペナルティ)

 

令和3年12月に相続登記の義務化が閣議決定され、令和6年4月1日施行と決定されました。
簡単にではありますが、相続登記の義務化についてご説明します。

◎相続開始後3年以内に相続登記をしなければなりません。
新しい不動産登記法では、『相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内に相続登記をしなければならない』と定められていますので、
①相続が開始した(所有者が死亡した)こと
②自分が不動産を相続して所有者となったこと
この2点をついて知った時から3年以内に相続登記をしなければなりません。

 

◎相続人申告登記制度
「相続人申告登記」という、不動産を相続した人が法務局に「私が不動産の相続人です」と申し出て登記してもらう制度でが新たに設けられました。

改正法では、不動産の所有者となったことを知ってから基本的に3年以内に相続登記を行う義務がありますが、遺産分割協議が終わっていないといった事情により、相続登記が難しい場合もあります。

そのようなとき、事前に「自分が相続人です」と法務局に申請することにより、上記の義務を履行したことにしてもらえるのが、相続人申告登記制度です。

遺産分割協議の完了により相続人確定後、3年以内に正式な相続登記をすれば義務を履行したことになります。

 

◎相続登記しない場合は10万円のペナルティ
令和6年4月1日以降、期限内に相続登記を完了しない場合、10万円のペナルティが課される可能性がありますのでご注意下さい。

 

『相続土地国庫帰属制度』~相続した土地を手放したい(いらない・放棄したい)~

2023年04月13日相続、遺産分割

 

今月27日から(2023年4月27日から)、
相続してしまった不要な(いらない)土地を国にあげることによって手放すことができる「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。

これまでは、相続放棄をすると、預貯金や価値のある不動産など、必要な遺産まで手放さなくてはならなくなるため、不要な土地を含め全て相続するか、他の資産も含め全て相続放棄をするかしかないといった問題がありましたが、この制度によって、幾分、問題は解消されることになろうかと思います。

引き渡せる土地には条件があり、無条件にいらない土地を手放させるわけではありません。

まず、引き渡すためには「申請」が必要です。
そして、相続した土地を国に引き渡すための申請ができるのは、相続や遺贈で土地を取得した相続人で、本制度の開始前に相続した土地でも申請できます。

また、引き渡せる土地にも条件があり、以下の場合には申請が却下されてしまいます。

  • 建物がある土地
  • 担保権や使用収益権が設定されている土地
  • 他人の利用が予定されている土地
  • 特定の有害物質によって土壌汚染されている土地
  • 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地

そのほかにも、「一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地」や、「隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地」などは不承認になりますし、

 

更に、

申請手数料として、土地一筆あたり14,000円を納める必要がありますし、

 

そしてめでたく承認されたとしても、

10年分の土地管理費相当の負担金(一筆あたり20万円が基本)も納めなければならず、

超えるべきハードルがたくさんあり、そう簡単ではなさそうです・・・。

 

 

公正証書遺言の「原本」と「正本」と「謄本」の違い

2023年03月14日遺言(遺言書)

 

公正証書遺言を作成する際、最後に、遺言者本人と証人2名、公証人が遺言書にそれぞれ署名・押印します。
これが遺言書の「原本」となり、公証役場に長い間保管されることになります。
どれくらい長期間保管されるかと言いますと、作成の日から20年以上(通常、遺言者が140歳になるまで)保管されます。

この遺言書「原本」は、公証役場に保管されるため、本人には渡されません・・。

それでは遺言者が亡くなった後に、遺言によって預金の払戻しや不動産の名義変更等を行うときにはどうしたらよいのでしょうか?
遺言書作成時に、原本と同じ効力をもつ「正本」が作成され(原本の写し)、これが遺言者に交付されますので、この「正本」を使用して相続手続きを行うことになります。
※正本は公証役場に依頼すれば、再発行してもらうことができます。

では、遺言書には「謄本」というものありますが、これは如何でしょうか?
遺言書の「謄本」も、正本と同様に原本の写しとなりますが、正本のような、原本と同じ効力が無いため、金融機関や法務局での手続きに使用することはできません。

「謄本」は、
「遺言者が遺言の内容を確認するための保管資料」としたり、
「正本を執行者に渡したものの、執行者が本当にそのとおりに執行してくれるか不安な場合に、執行者以外の方に渡しておく」といった利用方法が考えられます。
※この謄本も、公証役場に依頼すれば、再発行してもらことができます。

 

遺言書の検認(けんにん)

 

遺言者が自分で書いた遺言(自筆証書遺言)は、そのままにしておくと、誰かに勝手に内容を書き換えられたり破棄されたりする可能性があります。
このようなトラブルを防ぎ、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるために「検認」というしくみがあります。

遺言書の検認は、家庭裁判所で行います。
検認を行うことによって、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認の日現在における遺言書の内容が明確にされ保存されますので、それ以後の偽造や変造が不可能となります。

検認をしないとどうなるのでしょうか?
検認をしなければ、不動産の名義変更や預貯金の解約といった、遺言を使用した各種相続手続きができなくなります。

尚、自筆証書遺言でも、2020年7月10日から始まった「自筆証書遺言書保管制度(法務局に遺言書を預かってもらう制度)」を利用した場合には、検認は不要となりました。

 

遺産分割協議(特別受益と寄与分)の期間制限

2023年01月22日相続、遺産分割

 

「特別受益」とは、
一部の相続人が被相続人から受けた生前贈与や遺贈などの特別な利益を意味します。

「寄与分」とは、
共同相続人中に、被相続人の財産の増加や維持に特別の働きをした者がある場合に、相続財産からその寄与分を控除したものを相続財産とみなして各相続人の相続分を計算し、寄与者にその控除分を取得させることによって共同相続人間の公平を図る制度です。

両方とも相続手続きにおいては重要なもの(制度)ですが、
相続開始から何年も経ってから遺産分割協議が行われた場合に、これら特別受益や寄与分の問題が生じると、何年も前の記憶や事実を掘り起こして話し合いを行わなければならない結果、遺産分割協議がまとまらないといったことが少なくありません。

そこで、2021年4月21日に国会にてこの遺産分割協議に関する制度について法改正がなされました、

具体的にどのように変わるのかと言いますと、

特別受益と寄与分については、相続開始の時から10年という期間制限が設けらることになります。
なので、特別受益による贈与及び寄与分については(改正後は)、相続開始から10年間経過すると主張することができなくなります。

尚、遺産分割協議自体に期間制限が設けられたわけではありませんので、従来通り、相続開始から10年後に遺産分割協議が成立しても、20年後に成立しても構いません。

また、今回の改正は、特別受益や寄与分の主張について期限が設けられるだけであって、相続人間の合意による遺産分割協議については期限は従来通り期限は設けられませんので、相続人間の話し合いで円満にまとまるのであれば、特別受益や寄与分のことを加味した合意がなされても問題ありません。

当該改正は、2024年を目途に施行される予定です。

 

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